carbon

カーボンについて

炭素繊維について

炭素繊維強化炭素複合材(C/Cコンポジット)

炭素繊維強化炭素複合材とは一般的にC/Cコンポジットと呼ばれており強度や耐摩耗性を用途によって特殊な処理をして炭素繊維を加工したものであります。(以下C/Cコンポジット)
従来のカーボン・グラファイト材料も用途によっては強度も有り耐熱性も有する材料ですが残念ながらその特性もある一定のレベルまでしか現在の技術では引き上げる事ができずそれをカバーする為に材料開発を行って出来上がった素材がC/Cコンポジットです。

C/Cコンポジットは従来のカーボン・グラファイト材よりも曲げ強度で約3~4倍、 そして落下させてもほぼ割れない程の耐衝撃性を有しております。 高強度の耐熱部品として宇宙、航空機部品用に元々開発された経緯が有り 主にホットプレスモールド部品、セッター、耐熱ボルト、ナットなどに使用されています 。

C/Cコンポジットの製造方法簡単に説明すると…

まず炭素繊維を芯材にしたフェノール樹脂成形品(CFRP)を作り それを真空中で1000~2300℃で焼成しフェノール樹脂のみ炭化させます。

そうすることにより炭素繊維の周囲をフェノール樹脂の炭化物で出来上がったカーボンで包まれたような形態となります。
この状態はフェノール樹脂の中の炭素以外の成分(水素、酸素など)が焼き飛ばされ、フェノール樹脂が炭化したカーボンの中には多数の孔が新たに存在するようになります。

この孔を埋めるためにフェノール樹脂液に浸し加圧含浸し再度焼成炭化していきます。
これを通常3~6回繰り返しC/Cコンポジット材仕上げる事となります。
C/CとはCFRCの略語で英語のCarbon Fiber Reinforced Carbonのことであり炭素繊維で強化されたカーボンの事であります。
(上記のCFRPは炭素繊維で強化されたプラスチックの英語の略語です。)

C/Cコンポジットの特性

  長繊維織物型板材 短繊維分散型板材 黒鉛質押出材(前出:比較用
比重(g/cm3) 1.5 1.3 1.70~1.72
硬度(shore) 90 80 40
曲げ強度(kg/cm2) 1000 1000 220~400
圧縮強度(kg/cm2) 2200 2200 450~800